今回の分析の狙い

前回記事(0002:前回との比較アップデート)では、 データ全体のOK率やNG理由の推移を追いかけました。今回はさらに一歩踏み込んで、 「いつ」「何を」「どんな言葉で」申請した画像が通りやすいのかを、 曜日・カテゴリ・キーワードという3つの切り口で分析します。

対象は確定審査(OK+NG)となった1,367件です。 曜日は画像の「処理日」(生成・整理を行った日)を基準にしており、実際にAdobe Stockへ申請した日とは ズレがある可能性がある点はご了承ください。

結論は以下のようになっており、詳細はこの後記述しています。

  • 曜日別では月曜(24.0%)が最も低く、土曜(44.1%)が最も高い
  • カテゴリ別では「人物」(40.8%)が高く、「宗教・文化」(12.5%)が低い
  • キーワードでは「recruiting」「close-up」などがOK率50%超、「heritage」「yukata」などは10%台

曜日別のOK率・NG率

まず処理日の曜日別に、確定審査件数とOK率を集計しました。

曜日別 OK・NG件数と申請件数
OK NG

※「処理日」(画像の生成・整理日)ベースの曜日集計。申請日そのものではない点に注意。

曜日OKNG件数OK率
247610024.0%
8415624035.0%
499614533.8%
12729241930.3%
6715322030.5%
15193444.1%
7913020937.8%
📊 ポイント: 木曜(419件)が最も申請件数が多く、平日の中心的な処理日になっています。 OK率で見ると月曜が24.0%と最も低く、逆に土曜は44.1%と高めですが、 土曜は件数がわずか34件しかないため、まだ参考値の域を出ません。 平日だけで見ると火曜(35.0%)が最も高く、木・金曜は30%台とやや低めという傾向が見えます。

カテゴリ別のOK率・NG率

次にAdobe Stock申請時に付与された「カテゴリ」別の集計です。件数が少ないカテゴリは参考程度に留めてください。

カテゴリ別 OK率(件数上位6カテゴリ)
OK NG

※件数20件未満のカテゴリ(風景・建物・植物など)は割愛。

カテゴリOKNG件数OK率
ライフスタイル14152948.3%
人物7811319140.8%
ビジネス23944968834.7%
テクノロジー7014921932.0%
グラフィック素材318711826.3%
宗教・文化5354012.5%

件数最多の「ビジネス」(688件)はOK率34.7%と全体平均(32.6%)並みです。 「人物」カテゴリは191件でOK率40.8%とやや高め、逆に「宗教・文化」は40件中OK率12.5%とかなり低い結果でした。 「グラフィック素材」(写真ではなくイラスト・素材系)もOK率26.3%と平均を下回っています。

カテゴリ選びで気をつけたいこと

「宗教・文化」「グラフィック素材」は他カテゴリよりNGになりやすい傾向が見えます。 こうしたテーマを申請する際は、より慎重に品質・独自性を確認してから申請すると通過率の改善につながるかもしれません。

キーワード分析:OK率が高い単語・低い単語

Adobe Stockへの申請時に付与するタイトル・キーワードに使われている単語を集計し、 30件以上使われている単語について、OK率を比較しました(全体平均のOK率は32.6%)。

OK率が高い単語 TOP10(30件以上使用)
OK率が低い単語 TOP10(30件以上使用)
単語使用件数OK率単語使用件数OK率
recruiting36件58.3%heritage36件11.1%
close-up41件56.1%flow35件11.4%
soft focus75件54.7%yukata59件11.9%
eyes30件53.3%updo hair31件12.9%
office worker148件52.7%lovely smile33件15.2%
urban54件51.9%travel79件15.2%
fashion82件51.2%device46件15.2%
city life92件50.0%worker38件15.8%
clean38件50.0%hairstyle55件16.4%
serious52件50.0%culture61件16.4%
📊 ポイント: 使用件数148件と最も多い「office worker」はOK率52.7%と全体平均を大きく上回っています。 一方「travel」「yukata」「culture」など旅行・文化・和装系の単語はOK率が低い傾向があり、 先ほどの「宗教・文化」カテゴリの低OK率とも一致する結果になりました。 「device」「worker」「hairstyle」など単体の名詞的キーワードもOK率が低めです。

タイトル・キーワード作成へのヒント

今回のキーワード分析結果から、いくつか仮説として考えられるポイントを整理します。 あくまで相関であり因果関係を証明するものではない点にご注意ください。

気をつけたいキーワード傾向(仮説)

  • ビジネス・オフィス系(office worker, recruiting, urban, serious)はOK率が高め。定番の企業ビジュアル系テーマは需要・品質ともに安定しやすい可能性
  • 旅行・和文化系(travel, yukata, heritage, culture)はOK率が低め。すでにAdobe Collection内に類似素材が多く「類似コンテンツ」でNGになりやすい可能性
  • クローズアップ・ソフトフォーカス系(close-up, soft focus, eyes)は比較的通りやすい。被写体の一部を強調した構図が評価されやすいのかもしれない

もちろんキーワード単体で審査結果が決まるわけではなく、あくまで画像の内容そのものが最も重要です。 ただし、同じような画像を量産する際にどのテーマに寄せるかを決める際の参考程度にはなりそうです。

まとめと今後の展望

今回は曜日・カテゴリ・キーワードという3つの新しい切り口でAdobe Stock審査データを分析しました。 いずれも「絶対的な法則」というほど強い相関ではありませんが、 ビジネス系・クローズアップ系のテーマは通りやすく、旅行・和文化系は通りにくいという傾向は カテゴリ分析・キーワード分析の両方で一致しており、一定の信頼性がありそうです。

今後はデータがさらに増えた段階で、曜日・カテゴリ・キーワードを組み合わせた多変量的な分析や、 季節性(申請時期)とOK率の関係なども確認していきたいと考えています。 分析記事は今後も増えていく予定なので、まとめページ(本記事上部の分析シリーズ一覧)から最新記事を確認してください。

今後の分析課題

  • 曜日×カテゴリのクロス集計(申請ペース配分の最適化)
  • キーワードの組み合わせ(2語・3語のフレーズ単位)での分析
  • 季節・時期別のOK率推移
  • カテゴリ・キーワードごとのNG理由の内訳分析

FAQ

審査申請する曜日によってOK率は変わりますか?

本データ(画像処理日ベース)では月曜が24.0%と最も低く、土曜が44.1%と最も高くなりました。 ただし土曜は件数が34件と少なく、参考程度の傾向です。

カテゴリによってOK率に差はありますか?

件数の多いカテゴリで比較すると、「人物」が40.8%と最も高く、「宗教・文化」が12.5%と最も低くなりました。 「ビジネス」は688件と最多件数ながらOK率34.7%です。

タイトルやキーワードに使う単語でOK率は変わりますか?

はい。30件以上使われた単語で比較すると「recruiting」「close-up」「office worker」などはOK率50%を超える一方、 「heritage」「yukata」「flow」などは12%前後と低く、単語によって差が見られました。