今回のアップデートについて

前回記事(0001:Adobe Stock審査OK・NG分析)の公開から約2ヶ月が経過し、 自動化フローが毎日休まず動き続けてくれたおかげでデータが大きく積み上がりました。 前回は1,709件だった解析結果シートが、今回は4,990件まで増加しています。

前回の記事では「データ件数がまだ少ないため断定できない」と書いた部分がいくつかありました。 今回はその後を追いかけ、数字がどう変化したか/変化しなかったかを中心に比較していきます。 新しい切り口(曜日別・カテゴリ別・キーワード別分析)は次の記事(0003)にまとめているので、 本記事では「前回との比較」に絞って書いていきます。

結論は以下のようになっており、詳細はこの後記述しています。

  • 実質OK率は22.2%→32.6%に上昇
  • NG理由の構成比はほぼ変わらず「品質の問題」が最多
  • 「スコアが高いほどNGになりやすい」逆転現象は今回も継続
  • AI-NGチェックは前回ゼロ検出だったが、今回は指NG・目NG・ロゴNGを合計220件検出

データ全体の比較(前回 vs 今回)

まずはステータスの内訳を前回と今回で並べて比較します。総件数は約2.9倍に増加しました。

ステータス前回(1,709件)今回(4,990件)件数の伸び
OK41件(2.4%)445件(8.9%)+404件(約10.9倍)
NG144件(8.4%)922件(18.5%)+778件(約6.4倍)
EXAM(審査中)26件(1.5%)35件(0.7%)+9件
手動削除839件(49.1%)1,519件(30.4%)+680件
未審査659件(38.6%)2,069件(41.5%)+1,410件
前回のステータス分布(1,709件)
今回のステータス分布(4,990件)
📊 ポイント: OK件数の伸び率(約10.9倍)がNG件数の伸び率(約6.4倍)を大きく上回りました。 「手動削除」の割合も49.1%→30.4%に下がっており、AI-NGチェックやスコア判定である程度事前に絞り込む運用に慣れてきたことで、 より通りやすい画像を選んで申請できるようになってきた可能性があります。

実質OK率・NG率の比較

手動削除・未審査を除いた「実際にAdobe Stockへ申請して結果が出た件数」で見た通過率です。 前回は185件、今回は1,367件が母数となり、母数自体が7倍以上に増えています。

確定審査件数
185件 → 1,367件
約7.4倍
OK率
22.2% → 32.6%+10.4pt
41/185 → 445/1,367
NG率
77.8% → 67.4%-10.4pt
144/185 → 922/1,367
OK率の推移(前回 vs 今回)
OK NG

※EXAMを除いた確定審査件数ベース。前回185件・今回1,367件。

🔍 気になる発見: 母数が7倍以上に増えたにもかかわらず、OK率は22.2%から32.6%へと大幅に改善しました。 前回記事では「データが少ないため断定できない」としていましたが、母数が増えた今回の数字の方が実態に近いと考えられます。 今後さらにデータが増えても、この水準からどう動くかを追いかけていきます。

NG理由内訳の比較

NGになった理由の内訳を前回・今回で比較します。

NG理由前回(144件中)今回(922件中)変化
品質の問題94件(65.3%)597件(64.8%)ほぼ横ばい
アドビコレクションで類似するコンテンツ45件(31.3%)311件(33.7%)+2.4pt
知的財産権の侵害5件(3.5%)14件(1.5%)-2.0pt

「品質の問題」が最多である傾向は前回・今回でほぼ変わりませんでした。 一方で「類似コンテンツ」による NGはやや増加しています。これは申請件数が増えたことで、 似た構図・テーマの画像をまとめて申請する機会自体も増えたことが影響していそうです。 「知的財産権の侵害」は比率としては下がっており、AI-NGチェック(ロゴNG判定)の運用が多少なりとも効いている可能性があります。

類似コンテンツNGへの対策は引き続き課題

件数が増えるほど類似コンテンツNGの比率も上がりやすい構造にあるようです。 テーマごとの申請ペース配分や、同一テーマでもアングル・照明・被写体のバリエーションを意識することが、 引き続き重要なポイントだと考えられます。

品質スコアの傾向は変わったか

前回記事で最も意外だった発見が「品質NGの方がOKよりスコアが高い」逆転現象でした。 データが増えた今回もこの傾向が続いているかを確認します。

総合スコア比較(前回 vs 今回)
OK NG

※NGは今回データでは「品質」「類似」「知財」の内訳があるが、ここではNG全体の平均で比較。

区分前回 OK前回 NG-品質今回 OK今回 NG-品質
総合スコア3.594.043.443.61
CLIPスコア6.336.246.386.33
中央シャープ0.4140.5350.3770.428
背景適性0.7920.7900.7770.732
📊 ポイント: 今回もNGの方がOKより総合スコア・中央シャープネスが高いという逆転現象が続いています。 差の大きさは前回(総合スコア差+0.45)よりやや縮まった(+0.17)ものの、傾向自体は変わっていません。 品質スコアだけでAdobe Stockの審査結果を予測するのは、やはり難しいと言えそうです。

AI-NGチェックの検出状況の変化

前回記事では「AI-NGチェック(指NG・目NG・ロゴNG)は全件OKで、自動除外はゼロ件でした」と書きました。 今回、全4,990件を確認したところ状況が変わっていました。

チェック項目前回の検出数今回の検出数
指NG0件51件
目NG0件64件
ロゴNG0件105件

検出数はいずれも全体の1〜2%程度と少数ですが、前回はゼロだった検出が今回は確認できています。 ただし、これらのフラグが立った画像もOK・NG・未審査など様々なステータスに分かれており、 必ずしも「AI-NGが出た画像は自動的に除外されている」わけではなさそうです。 今後は、このフラグと実際の審査結果との関係も継続して見ていきたいところです。

人物有無とOK率の関係の変化

前回は「人物なしの方がOK率が高い傾向(26.4% vs 20.5%)」と書きましたが、今回はどうなったでしょうか。

区分前回 OK率今回 OK率
人物あり20.5%(27/132件)33.3%(350/1,052件)
人物なし26.4%(14/53件)30.2%(95/315件)
🔄 傾向が逆転: 前回は「人物なし」の方がOK率が高い傾向でしたが、 データが増えた今回は「人物あり」の方がわずかに高くなりました(33.3% vs 30.2%)。 差自体は3ポイント程度と小さく、前回のデータ数(53〜132件)が少なすぎて偶然ばらついていた可能性が高いと考えられます。 サンプルが少ない指標は、こうして後から覆ることがある点には注意が必要だと改めて感じました。

まとめと次回予告

今回のアップデートで最も大きな変化は、実質OK率が22.2%から32.6%へ改善した点です。 NG理由の構成比や「スコアが高いほどNGになりやすい」逆転現象は前回とほぼ同じ傾向が続いており、 これは一時的なブレではなく、ある程度安定した傾向だと考えてよさそうです。

一方で「人物有無とOK率の関係」のように、データが増えたことで前回と逆の結果になった指標もありました。 件数が少ないうちの分析は参考程度に留めておく必要があることを、身をもって実感しています。

次回記事(0003)の予告

  • 曜日別のOK率・NG率の違い
  • カテゴリ別のOK率・NG率の違い
  • タイトル・キーワードに使われている単語とOK率の関係

続きは0003:曜日・カテゴリ・キーワードで見るOK率の傾向にまとめています。

FAQ

前回記事と比べてOK率はどれくらい変わりましたか?

確定審査ベースのOK率は、前回(185件)の22.2%から今回(1,367件)は32.6%まで上昇しました。 データ件数が増えたことで、より安定した数字に近づいていると考えられます。

NG理由の内訳に変化はありましたか?

「品質の問題」が最多である点は前回(65.3%)・今回(64.8%)ともほぼ同じでした。 一方「類似コンテンツ」はやや増加(31.3%→33.7%)、「知的財産権の侵害」は減少(3.5%→1.5%)しています。

品質スコアが高いのにNGになる逆転現象は今回も見られましたか?

はい。今回のデータでもNG(総合スコア3.61)がOK(3.44)を上回っており、 前回同様「スコアが高いほど通る」とは言えない傾向が続いています。