ゲーム制作未経験でも形になる!AIが「説明」ではなく「完成品」をくれる時代がやってきた。 プログラミングを知らなくていい。難しい環境構築も不要。そんな世界を、実際に体験してみた記録をお届けする。
背景
ゲームが好きだ。マリオブラザースにおける友達との倒し合いからゲーム好きの人生がはじまった。 理系の道を選び、念願のゲーム会社へ・・・・とはいかず、IT業界へ。 それでもゲームを遊び続ける中で、「自分でも作ってみたい」という思いは消えることがなかった。
IT業界20年のエンジニアとはいえ、ゲーム開発は完全な門外漢だ。 業務システムのSE経験は積んできたが、UnityもUnreal Engineも触ったことがない。 C++もC#もよく分からない。ゲームを「作る側」になるには、学ぶべきことが山ほどあると分かっていたから、 これまでずっと「いつかやろう」と後回しにし続けてきた。
そして今。AIの進化がその「いつか」を「今すぐ」に変えてくれようとしている。 いい歳になったおっさんが、AIの力を借りながら、ゲーム制作に本気で挑戦してみようと思う。 未経験でも、おっさんでも、AIがいればゲーム制作は可能になるんです。 この記事はその第一歩の記録だ。
AIの選択、ゲーム制作を依頼
今や「AI」という言葉は日常に溶け込み、対話型AIを使いこなす人も珍しくなくなりました。かくいう私もその一人です。
実際に試した順番と率直な感想をお伝えしよう。
ChatGPT(GPT-4o)を試してみた
まず最初に試したのはChatGPTだ。知名度ナンバーワンだし、周囲でも一番使っている人が多い。 「ブラウザで動くオセロゲームを作って」と入力してみたところ、返ってきたのはコードの断片と長い解説文だった。
「index.htmlというファイルを作り、以下のコードを貼り付けてください」という形式で、 HTMLのコード、CSSのコード、JavaScriptのコードが別々に提示される。 それぞれどこに書けばいいのか、どの順番で記述すればいいのかが、プログラミング未経験の私にはさっぱり分からない。 「貼り付けてください」と言われても、どこに貼るのかが問題なのだ。 試しにそのまま全部コピーしてメモ帳に貼り付けてみたが、当然ながら動かなかった。
Geminiを試してみた
次にGoogleのGeminiを試した。Googleサービスとの連携が強みと聞いていたので期待していたが、 ゲーム制作の依頼に対する回答はChatGPTと似たり寄ったりだった。 コードを「三つのブロック」に分けて提示してくれるのだが、それをどう一つのファイルにまとめるかの説明が、 初心者にとっては難解すぎる。
しかも回答が長い。丁寧すぎるくらい丁寧に解説してくれるのだが、 私が欲しいのは「完成したファイル」であって「丁寧な解説」ではない。 優しい先生なんだけど、授業を聞いても宿題ができないタイプというか……そんな印象だった。
Grokを試してみた
X(旧Twitter)と連携したGrokも試してみた。こちらはかなりフランクな口調で返答してくれて、 親しみやすさはある。ただ、ゲームのコード生成という点では、やはり「説明スタイル」が中心で、 完成品をポンと出してくれるわけではなかった。
また、長いコードを出力している途中で「続きはこちらです」と分割されてしまうことがあり、 コードがどこで切れているのかの判断が難しかった。分割されたコードをどうつなぐかも、 初心者には鬼門だ。
最終的にClaudeを選んだ理由
試行錯誤の末、私が最終的に選択したのはClaudeでした。決め手は、ゲームを構成するファイル群を「そのままの形」で出力してくれる点にあります。
Claudeに同じ依頼をしたとき、返ってきたのは「ダウンロードできるHTMLファイル」だった。 コードをコピーして貼り付けろとか、三つのファイルに分けて保存しろとか、そういう指示が一切ない。 「このファイルをダウンロードしてブラウザで開いてください」——それだけだ。
他のAIの多くは、「ファイルAのコードは〇〇です。△△の部分をこのように書き換えてください」といった解説を提示します。 プログラミングの基礎知識があればこれでも十分ですが、右も左も分からない初心者にとって、提示された断片的なコードを正しく組み込む作業は、決して低いハードルではありません。 「理屈はいいから、動くものを丸ごと出してほしい」——。そんな初心者の切実なニーズに応えてくれたのが、Claudeだったのです。
・ChatGPT:コードの断片+解説。組み合わせ方が難しい
・Gemini:丁寧な説明だが、完成ファイルをくれない
・Grok:フレンドリーだが、長いコードが途中で分割されがち
・Claude:完成ファイルをそのままダウンロードできる ← これが決め手
オセロゲーム制作を依頼、プレイ
最初はゲーム制作に必要な環境作りや作業工程を把握するためにも、簡単なゲーム制作を考えてみました。 そこで選択したのは誰でも知っているオセロゲームでした。 複雑なルールがなく、盤面と石だけで成立するシンプルさが、最初の題材として最適だと判断した。
1回目のプロンプト:思わぬ方向へ
以下のように依頼してみると・・・。
Flutterのソースコードが出てきました。Flutterというのはモバイルアプリ開発のフレームワークで、 Googleが作ったものらしい。名前すら聞いたことがなかったし、使うためには専用の開発環境を インストールしなければならないと分かってきた。Dart言語というものも覚えないといけないらしい。 完全に門外漢にとっては、最初の一歩から高い壁が立ちはだかった形だ。 ひとまず、これはパスすることにした。
※TWA(Trusted Web Activity)とは:WebサイトをAndroidアプリのようにインストール可能にする技術。Google Chromeがベースになっているため、既存のWebコンテンツをほぼそのままアプリ化できる。
2回目のプロンプト:「ブラウザで動くものを」と指定
環境構築なしで、ブラウザで簡単に動かせるものを作りたい——と考えなおして、条件を追加して再度依頼した。
え・・・、もうファイル作ってくれた。
「HTMLファイルを一つ作成しました。ダウンロードしてブラウザで開いてください」——それだけだ。 待ち時間はほんの数秒。テキストを入力して送信してから、ファイルが生成されるまで、体感で5秒もかからなかった。 HTMLという言葉は知っていたが、自分でゼロから作れるものではないと思い込んでいた。 それがAIに頼んだら、5秒で出てきた。
ダウンロードして開いてみる
ダウンロードして、作成されたhtmlファイルをダブルクリックで起動してみる。するとブラウザが自動で立ち上がり……
おおおお! まじで?
タイトル画面が表示された。「新規ゲーム」のボタンがある。デザインもちゃんとしている。 黒と白のオセロ盤のイメージが背景に入っていて、それなりに「ゲームっぽい」画面になっている。 これ、5秒で作ったやつだよな……と、少し呆然としてしまった。
実際に30分プレイしてみた感想
せっかくなので、本当に遊べるか試してみた。結論から言うと、ちゃんと遊べた。
ゲームの完成度としては:
- 8×8のオセロ盤が正しく描画されている
- 石を置けるマスだけハイライト表示される(初心者に親切)
- 自分の番と相手(AI)の番が交互に進む
- 置けるマスがない場合はパスされる
- ゲーム終了時にスコアが表示される
対戦相手のAI(ゲーム内のコンピューター)はそこそこ強く、最初の数回は普通に負けた。 「AIに頼んで作ったゲームのAIに、人間が負ける」という、なんとも不思議な体験だった。
惜しい点としては、スマホで画面を開くと盤面が少し崩れる点と、 石を置いた際の効果音がない点が気になった。 ただ、これはあくまで「プロンプト一発で出てきたもの」であり、 追加の要望を出せばいくらでも改善できるはずだ。 その作業は次回以降に持ち越すことにした。
とりあえず30分ほどプレイしてました。(;^ω^)
最初のプロンプト次第ではすぐにHTMLファイルを作成してもらい、ダウンロードして、ゲームプレイが可能だと思います。
まとめ:初心者がAIでゲーム制作する手順
今回の体験をもとに、プログラミング未経験者がAIでゲームを作る最短ルートをまとめます。
- AIを選ぶ(Claudeがおすすめ):完成ファイルをそのまま出力してくれるAIを選ぶことが最初の重要なポイント。コードの断片を出すだけのAIだと、初心者は組み合わせ方で詰まってしまう。
- 「ブラウザで動くHTMLで作って」と明示する:環境構築が不要なHTML形式を最初から指定しておく。FlutterやUnityなどの開発環境が必要な形式で出力されると、初心者はそこで止まってしまう。
- シンプルなゲームから始める:オセロ、三目並べ、神経衰弱など、ルールが単純なゲームが最適。最初から凝ったものを作ろうとすると、AIへの指示も複雑になりがちだ。
- 完成ファイルをダウンロードしてブラウザで開く:特別なソフトは不要。HTMLファイルをダブルクリックするだけで動く。
- 気になった点は追加で依頼する:「スマホ対応にして」「効果音を追加して」「難易度を上げて」など、後から追加の要望を出せばAIが改善版を作ってくれる。
・AI選定と比較:約2日(ChatGPT・Gemini・Grokを試して比較)
・オセロ作成(プロンプト入力〜ファイル生成):約15分
・ブラウザで起動して確認:約5分
・実際にプレイ:約30分
・合計(プレイ除く):約20分
AIでゲーム制作するメリット・デメリット
実際にやってみて感じた、正直なメリットとデメリットをお伝えします。
メリット
- プログラミング知識がゼロでも動くものができる:コードを一行も書かずに、遊べるゲームが完成した。「作る」というより「依頼する」に近い感覚だが、結果として動くものが手元に残る体験は純粋に感動する。
- 環境構築がほぼ不要:HTMLファイルとブラウザだけで完結する。UnityやUnreal Engineのインストール、SDK設定、ライセンス確認……そういった面倒な作業が一切ない。
- 短時間で成果が出てモチベーションが続く:依頼から15分で動くゲームができるという体験は、学習の継続にとって非常に重要だ。「やった感」がすぐに得られるので、次のステップに進みたくなる。
- 要望を言葉で伝えるだけで改善できる:コードを理解していなくても「難易度を上げて」「背景色を変えて」「スマホでも動くようにして」と日本語で伝えるだけで、AIが改修版を作ってくれる。
デメリット
- 仕組みの理解が浅くなりやすい:完成品を受け取るだけなので、「なぜそのコードが動くのか」を理解しないまま先へ進みがちだ。後で複雑な問題が起きたとき、自分で解決できない場面が出てくる可能性がある。
- 複雑なゲームになるほど指示が難しくなる:オセロのようなシンプルなゲームならプロンプト2〜3回で完成するが、RPGのようにマップ・戦闘・セーブ機能・ストーリーが絡み合うゲームを一度に頼むと、AIの回答が複雑になりすぎてまとまりにくくなる。
- AIの出力に品質のばらつきがある:同じ依頼でも、毎回まったく同じコードが出てくるわけではない。動かない場合もあるし、想定と違う仕様で出てくることもある。そういうときに「どこがおかしいか」を指摘する最低限の判断力は必要だ。
今後やりたいこと
今回の体験で、AIを使えばゲーム制作の入り口には立てることが分かった。 ただ、オセロを作っただけではゲームクリエイターとは名乗れない。 今後は以下のことに順番に挑戦していこうと思っている。
- スマホ操作への対応:今回作ったオセロはPCブラウザ向けで、スマホで開くと盤面が少し崩れる。タッチ操作でも快適に遊べるようにレスポンシブ対応を追加したい。
- BGMや効果音の追加:石を置いた瞬間の「パチン」という音があるだけでゲーム感が一気に増す。ブラウザで鳴らせる音の仕組みをAIに頼んで実装してみたい。
- ドット絵キャラクターの制作:ファミコン世代としては、ドット絵への愛着が深い。画像生成AIと組み合わせて、オリジナルキャラクターを作れるか試してみたい。
- 簡単なRPGへの挑戦:オセロで自信がついたら、次はマップ移動と簡単な戦闘システムを持つRPGに挑戦したい。規模が大きくなるので、機能を小分けにしてAIに依頼する工夫が必要になるはずだ。
- 家族や友人に遊んでもらう:自分で作ったゲームを誰かに遊んでもらうこと——これが子供の頃からの夢だ。完成度が上がったタイミングで、まずは家族に試してもらいたい。
子供の頃に「自分でゲームを作れたらいいな」と思っていた夢が、 AIのおかげで急に現実味を帯びてきた。 20分でオセロを作れた体験は、その夢への入り口を開いてくれたと感じている。 次回は実際にスマホ対応と効果音の追加に挑戦する様子をレポートする予定だ。
FAQ
プログラミング未経験でも本当にゲームが作れますか?
はい、作れます。今回の私の体験がその証明です。コードを一行も書かず、日本語で依頼するだけで、 ブラウザ上で動くオセロゲームが完成しました。ただし「完成品をそのまま出力してくれるAI」を選ぶことが重要で、 コードの断片を説明してくるだけのAIだと初心者は詰まりやすいです。Claudeのように完成ファイルを ダウンロードできる形で出してくれるAIを選ぶことをおすすめします。
HTMLとは何ですか?難しくないですか?
HTMLはウェブページを作るためのファイル形式です。今回の方法では、HTMLファイルの中身を 自分で書く必要はありません。AIが全部書いてくれたものをダウンロードするだけです。 ダブルクリックするとブラウザが起動してゲームが始まるので、特別な知識は一切不要です。
最初に作るゲームはどんなものが向いていますか?
ルールがシンプルで、盤面や画面の要素が少ないゲームが向いています。 オセロ・三目並べ・数当てゲーム・神経衰弱などが最初の題材として最適です。 最初からアクションゲームやRPGを作ろうとすると、AIへの指示が複雑になり、 思ったものができない・コードが長くなりすぎるといった問題が起きやすいです。 まず小さく成功体験を積むことが大切です。
Claudeは有料ですか?
Claudeには無料プランがあり、今回のオセロゲーム程度であれば無料の範囲内で作成できます。 ただし無料プランには1日あたりの利用回数に上限があります。 複数回やり取りしながら改良を重ねる場合は、有料プラン(月額約20ドル)の方が使いやすいです。